運営スタッフ

VOL.006

2014.08.18(Mon)up!

甲子園歴史館 廣瀬慶子さん
大のタイガースファンである父親に連れられ、子どもの頃から阪神甲子園球場に足しげく通う。関西一円のエンターテインメント施設へスタッフを派遣する会社を経て、2011年4月、阪神電気鉄道株式会社甲子園事業部に入社。甲子園歴史館のスタッフとして、スタジアムツアーの企画・運営に携わる。休日は、映画やコンサート、博物館などでお客さまとして楽しみ気分転換。つい、スタッフの接客対応や案内表示に目が向いてしまうとか。

1人ひとりの思い出と歴史に寄り添う。

兵庫県西宮市に生まれ育ち、阪神甲子園球場を見ながら成長してきた廣瀬さん。
いつしか胸に芽生えた、甲子園で働きたいという思いをカタチにして
スタジアムツアーの企画や運営、アルバイトスタッフの教育と、幅広く活躍している。
しごとを通して感じたコト、学んだコト、いまだからわかるはたらく気持ちを伺った。

それぞれの甲子園に新たな1ページを。

大好きな甲子園と野球の魅力を伝える。

 プロ野球阪神タイガースの本拠地にして高校球児の聖地、阪神甲子園球場。今年、誕生90周年を迎えた球場は、西宮市に生まれ育った廣瀬慶子さんにとって、日常生活に溶け込んだ存在だ。
「大のタイガースファンである父に連れられ、子どもの頃から球場に通っていました。学生時代は売り子のバイトもしましたし、学校帰りに試合観戦に行くのも珍しくありません。その頃から、いつか甲子園に関わる仕事がしたいと思っていましたね」
 廣瀬さんは、2010年の球場リニューアル時に誕生した甲子園歴史館で働いている。
「スタジアムツアーの運営、団体様のご予約の対応、アルバイトの教育などを行っています。ツアーは毎日3便以上出ているので、スムースに進むよう現場で調整するのも仕事です」 入社して驚いたのは、約4万7千人を収容する球場を、50名程のスタッフで運営していること。
「歴史館の社員は7人。1人ひとりに仕事を任せてくれて、私も入社1ヶ月程でイベントを企画させてもらいました。新人でも企画すれば実現できます。いま私が担当しているのは、球場が空く冬場の同窓会プラン。チケットや飲食物販の部署と共同で企画することもあります」
 そんな職場には、やはり野球好きなメンバーが集まっているのだろうか。
「はい。現場のアルバイトスタッフからの報告や意見を次の企画や運営に生かしていくので、コミュニケーションが大切です。その点、野球という共通の話題があるので、アルバイトも社員も和気あいあいとしています。野球に興味がなかった人も、ここに来て好きになるんですよ」

1人ひとりの思いが歴史をつないでいく。

 歴史館は、まだ5年目の新しい施設。経験値が少ない分、仕事を進めながら同僚たちと方向性を決めていけるおもしろさもある。
「最初はもちろん、任されることに不安もありました。企画や運営の仕事は初めてでしたし、野球経験もありません。野球に詳しいお客さまからの質問に答えられないことも。先輩方に教えてもらいながら、どうしたらお客さまに喜んでもらえるかを考えて進めています」
 少しずつ着実に前進してきた廣瀬さんを支えているのは、ここでしかできない経験だ。
「タイガースのOBの方や球界の功労者の方に関わる仕事ができるのは、ここならでは。ナイターゲームがある日は、OBの方に日替わりでツアーに同行して解説いただきます。年に何度か歴史館主催で行うトークイベントでは、現役選手にも参加していただきました」
 そして何より、そのツアーやイベントを楽しみに全国から集まるお客さんが、大きな原動力になっている。
「『今までここに立つことを夢見て野球を頑張ってきた。来られて本当にうれしい。ありがとう』と言ってくださる方や、『絶対にここに戻って来ます』という球児。お客さまの喜びの声が聞けたときは、本当にこの仕事をしていて良かったなって思います」
 廣瀬さん自身もそうだったように、訪れる人の数だけ甲子園の思い出や歴史がある。その実感が、より良いサービスにつながっている。
「お子さんからご年配の方まで、皆さん自分なりの思い出や歴史があるんだと、お話をしていてよく分かります。静かに写真を撮りたいという方もいれば、いろいろ解説を聞きたいという方もいるので、それぞれのお客さまに合ったサービスの提供を心がけています」
 最後に、これからの目標を教えてもらった。
「今まで以上に、野球に興味がない人も楽しんでもらえるツアーを企画したいです。いま映画の影響で台湾からのお客さまが増えているのですが、ほかのアジア圏の国からも行きたいと思ってもらえる施設にしていきたいですね」

しごとのツボ

Q. 仕事で大切にしていることは?
A.現場でお客さまといるときは、自分が心から楽しんで笑顔でいること。まずは自分自身が楽しくないと、お客さまに楽しんでもらえない。
Q.この仕事の醍醐味は?
A.阪神のOBの方や球界の功労者の方、現役選手に関わる仕事ができる。そういった企画をお客さまにお届けし、喜んでいただけることがうれしい。
Q.プロフェッショナルな技は?
A.静かに写真を撮りたいという方もいれば、いろいろ解説を聞きたいという方もいるので、1人ひとりに合わせたサービスを提供すること。
取材者からひと言
阪神甲子園球場の名に、汗を流した青春を思い出す人もいれば、家族や恋人との淡い記憶をよみがえらせる人もいるでしょう。歴史館と廣瀬さんたちここで働くスタッフは、それぞれの胸にある甲子園をそっと受け止め、また新たな思い出へと変えてくれます。野球ファンの方はもちろん、そうでない方もきっと新たな甲子園の魅力に出会えますよ。
会社プロフィール:阪神甲子園球場 甲子園歴史館
野球はもちろんスポーツやコンサートの会場として親しまれる阪神甲子園球場は、1924年に誕生。2010年にリニューアル工事が完了し、同年、甲子園歴史館がオープンした。90年の歴史を物語る展示やスタジアムツアーが楽しめる。

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取材・撮影日=2014年7月3日



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