ホールスタッフ

VOL.036

2015.08.03(Mon)up!

三田屋本店 ―やすらぎの郷―     秋口いくみさん
2014年2月『三田屋本店 ―やすらぎの郷―』で人生初のアルバイトを始めた大学2年生。生まれ育ちのみならず、現在通う大学のキャンパスも同じくこの三田という、自称[地元密着]タイプ。休日は高校時代からの親しい友人と買い物に出かけ、カフェでお互いの近況報告がてら楽しくおしゃべりするのが楽しみ。学業とアルバイトを両立しつつ、近い将来「私はコレができる!と言えるような資格を何かひとつ取得したい」と計画中の20歳。

先回りの気配りが、“おもてなし”の極意。

豊かな自然が残る兵庫県・三田市。そこに広がる丘陵地に現れる日本建築と能舞台―。
秋口さんは、そんな壮大なロケーションが多くの人を魅了する
ステーキレストランのホールスタッフだ。彼女がこのしごとを通して
感じたコト、学んだコト、いまだからわかるはたらく気持ちを伺った。

持ち前の[考動力]で、お客さまを笑顔に。

話好きなのに人見知り…そんな弱点を克服!

めざすのは、五感すべてに響くレストラン―。フードビジネスの枠を越え、文化芸術としてのおもてなしでゲストを迎える。そんな食空間をアルバイト先に選んだ秋口いくみさん。世界でも珍しい、能舞台を持つステーキレストラン・三田屋本店―やすらぎの郷―が彼女の職場だ。
「進路が早く決まり、まだ高校在学中に仕事を始めました。初めてのアルバイトで自宅から近いことも条件でしたが、ぜひ人と接する仕事をやってみたいと」
いわゆる接客に的を絞っていた様子の秋口さん。それなら、イマドキ女子に人気の雑貨店やファッション系は候補に挙げなかった?
「そういった分野はあまり詳しくなくて(笑)。その点、飲食店は自分でも頻繁に利用する身近な存在。舞台裏はどうなっているんだろう?と興味がありました。当店はカジュアルなレストランとは一線を画した位置づけで利用されていることを知っていたので、しっかりした接遇を学べると思ったことも決め手でした」
おこづかい稼ぎができれば別に何でも構わない。そのような発想は、彼女の辞書にはなさそうだ。
学業とバランスをとりながら、土・日を中心にシフトに入る秋口さん。室内楽や筝曲の生演奏を催す舞台を配した趣向を凝らしたフロア。最大約250席のセッティングが可能な広い店内にくまなく目を配る。携帯するインカムでのやりとりも堂に入り、1年半のキャリアを感じさせる彼女だが、当初は苦労したようだ。
「当店のホール担当はテーブル単位ではなく、全体を見るのが仕事。お客さまからお声がけいただきやすいよう、くまなくフロアを移動します。本来は私からお声がけをすべきなのですが、初めはそれができずに、無言でウロウロするばかりでした」
人とかかわること・話すことが大好きなのに人見知り。そして先輩直伝の現場ノウハウ以外に、準備されたマニュアルもない。そんな中、とまどう彼女のやる気を喚起したのは、やはりお客さまと先輩だった。

将来にも活かしたい、人とかかわる楽しさ。

「今もそうですが、いいところをもっと盗もうと、先輩たちの仕事ぶりをより丁寧に見るようになりました。すると、目の前で起こっていることへの対処だけではなく、次にお客さまが望まれることを先回りして行動されていることに気付いたんです。お客さまはもちろん、接客する先輩自身もとても満ち足りた感じで、『こういうことか!』と思いました」
さらに「仕事の度に成長したい」と続ける秋口さんに、特に自覚している成長ポイントをたずねてみた。
「何より、公私初対面のかたとも積極的にコミュニケーションが取れるようになったことが大きいですね。実務では、お客さまの立場で考え動けるようになったことでしょうか」
赤ちゃんのミルク用のお湯を適温で準備して欲しい。食材を変更して欲しい。もっと小さく切って欲しい。イレギュラーなリクエストにも、その場で判断し、臨機応変な対応ができるようになったと嬉しそうだ。
「今後はさらに、私ならではのおもてなしを見つけていきたいです」
そんな絶好調の彼女。和のスタイルが良く似合うしとやかなイメージだが、平日は大学のメディア学科に在籍。学部内の生徒会的な活動にたずさわるほか、短編ドキュメンタリー作品の制作では街に飛び出し、行き交う人にマイクを向ける。
「ここでもアルバイトの経験が活きています。社会人として恥じない人とのかかわり方を学べているので、取材もスムースに進められています。将来は、多くの人と直接触れ合えるメディア関連の仕事に就ければ嬉しい。生来、私はじっとしているのが苦手(笑)。アクティブに、ずっとワクワクしていたいですね!」

お役立ちツール

「ホールから厨房、別室のラウンジまで、すべてのスタッフをつなぐインカムが大活躍!お客さまの流れをみんなで把握し、スムースなご案内につなげます。ポケットサイズのメモとペンはオーダー以外のちょっとした覚え書きに便利。あと、和テイストのヘアクリップも必ず持っています♪」

取材者からひと言
取材に先立ち、予想される主な質問をまとめたシートを秋口さんにお渡しして迎えた取材当日。粒ぞろいの丁寧な文字で埋まった用紙を手渡してくれました。その几帳面さは、年齢よりも落ち着きを感じる彼女の話ぶりにもにじみ出ていたようです。接客のしごとで知った[楽しさ]を昇華するかのように「将来も、人とかかわり合えるしごとに就きたい」と迷いなく答えてくれた秋口さん。改めて、接客業が持つ引力の強さを教えてもらいました。
会社プロフィール:株式会社三田屋本店
全国約15店舗のステーキレストランの運営とハムの製造・卸・販売、自社窯創作の三田青磁の卸・販売も展開。3,600平方メートルに及ぶ敷地を有するやすらぎの郷内<有馬能楽堂>では、「薪能」を上演している。※詳細はHPまで。http://www.sandaya-honten.co.jp

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取材・撮影日=2015年6月30日



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