トリマー

VOL.060

2016.07.18(Mon)up!

HOGOKEN CAFE 鶴橋店 秋津 佳奈子さん
2015年2月、HOGOKEN CAFE®鶴橋店にアルバイトスタッフとして入社。2016年3月にトリマーの資格を取得。好きな犬種はチワワ。「さわって欲しいときは甘えてすり寄ってくるのに、機嫌の良くないときはプイッとそっぽを向くような性格の子が好きなんです」と笑う。そんな秋津さんの愛犬はアメリカン・コッカー・スパニエルだそうだ。子どもの頃なりたかった職業は画家で、いまでもゆるキャラのような絵を描くことがあるとのこと。

家族のいる幸せをすべての保護犬に。

愛らしい小型犬の毛を、櫛とハサミを使いリズミカルにカットしていく秋津さん。
もともと犬好きだった彼女が、保護犬のことを知ったのは数年前。
それからは「自分にできることはないだろうか」と考え、行動する日が始まる。
しごとを通して感じたコト、学んだコト、いまだからわかるはたらく気持ちを伺った。

愛されて欲しいから、もっと可愛く、美しく。

保護犬のためにできることをしたい。

赤い看板にくっきり浮かぶHOGOKEN CAFE®の文字。店に入るとカフェスペースで6、7頭の小型犬が、愛らしい姿で動き回っている。
「たまたま見たテレビ番組で保護犬のことを知ったんです」
傍らでちょこんと座る犬に、「さっきより大人しいやん!」と笑いかける秋津佳奈子さん。保護犬の実態を知ったときから、「何かしたい!」というスイッチが入ったという。
「保護犬って聞くとあまり良いイメージが浮かばないかもしれません。でも、実際にふれあうと普通のペットと同じ。そのことを伝えるためには、どうしたらいいだろうって考えたとき、真っ先に思ったのが、犬も見た目が大切だってことでした。可愛いければきっと興味を持ってもらえる。それを叶えられるのはトリマーだって」
目標が定まれば、次は行動あるのみ。秋津さんはHOGOKEN CAFEで、シャンプーのボランティアを始め、夜はトリマーになるために学校へ通い、今年3月に資格を取得した。
「ここでは一般のお客様が連れてこられる犬のトリミングも行っています。ハサミでカットしてスタイルを整えていくと、犬がどんどん可愛くなっていくのが、楽しいです」
もちろん保護犬のケアも行う。薬浴シャンプーをするというが、ケアの違いは?
「保護犬は心臓疾患を抱えていることが多いので、できるだけ負担がかからないように工夫しています。時間をかけずに部分シャンプーをして、皮膚をこすらず泡で洗うなど。その子にとって最適な方法を考えるのがトリマーの仕事。病気だからといって見た目をきれいにすることをあきらめることはありません」

里親の覚悟に、いつも感動。

保護犬のために、何かしようと思い、トリマーになる目標を達成した秋津さん。しかし、どうしても落ち込んでしまうときがある。
「里親が決まらず、ここで亡くなる子もたくさんいます。朝、出勤してきたら、亡くなっていたことも。ここはそういうことを体験する場所。心がえぐられるような気持ちになります」
トリマーとしてできることは限られている。でも、限られた中で自分にできることは何か。秋津さんは自問自答を繰り返す。
「亡くなった子から教わったことを、次の子に繋げるようにしています。何かもっとしてあげられなかったか? もっと病気について勉強し、正常な状態はどうで、どういう症状が出たら要注意か、些細なことでも気づければ、今を変えられるかもしれない。前向きな姿勢を忘れないようにしています」
つらい心境にパワーをもたらすのは、里親の存在。トリマーの仕事だけでなく、カフェに出ることもある秋津さんは、里親になりたいという人と、何度か話した経験も持つ。
「自分が勧めた子に里親が決まった瞬間が、一番嬉しいですね。以前、チワワの赤ちゃんで、けいれんの発作があり、保護されてきた子がいました。発作は成長する過程で免疫ができて、起こらなくなる場合もありますが、生涯起こる場合もあります。そんなすべてを受け入れて、自分の家に受け入れようと決めてくださった里親となる方の覚悟には、いつも大きなパワーをもらえます。今日から一緒に寝るのかな?って妄想して (笑)、1人でニコニコしてしまうことも」
後日、里親と一緒に遊びにくる犬たちは、見違えるように変化しているそうだ。
「毛が抜けていた子に、毛がボワッと生えていたことも(笑)。目がキラキラと輝いて表情も明るく元気に変わっているんですよ。飼い主という存在がないと、犬は幸せになれません。1頭でも多くの保護犬に、いつもそばにいてくれる家族ができるように、これからも手助けしていきたいです」

お役立ちツール

「可愛くトリミングするのに欠かせないハサミ。斜めがけした小さなバッグに、いくつか入れています。ハサミによって使い心地は少しずつ違い、いつも使うお気に入りは手によくなじむもの。スキルを磨いて、これからもたくさんのワンちゃんたちを、キラキラ輝くスタイルにしたいですね」

取材者からひと言
保護犬というと、どこか哀しい響きがあり、どうしてもそうしたイメージが先行してしまいました。でも、秋津さんに出会って、イメージが一変。トリマーになった理由も素晴らしく、保護犬たちの太陽のような存在で、とても魅了されました。やりたいことを目指し、それを叶えた人は、とっても輝いていると思いました。
会社プロフィール:ユナイテッド株式会社
保護犬に新しい家族を見つけるためにオープンしたHOGOKEN CAFE®。大阪を拠点に兵庫、東京、千葉など8店舗を展開。すべての犬や猫たちが幸せになれるように殺処分ゼロを目指し活動をしている。
http://www.hogokencafe.com/

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取材・撮影日=2016年6月16日



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